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急がば回れ!? リスニング向上の前提条件

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 みなさん、ごきげんよう

 「リスニング力を伸ばすにはどうすれば良いですか?」
 そう聞かれない日はないと言っていいくらい、本当によくいただくご相談です。

 何度も同じ音声を聞き、聞こえたことを書き出していくディクテーション。
 音声を聞いて真似して繰り返してみるリピーティング。
 音声を流しながら少しだけ遅れて後からついて言ってみるシャドウイング

 リスニング力向上のために「有効」とされる方法はいろいろありますが、どれを試してもなかなかうまくいかないという人がいます。

 そこで今回はリスニング向上の前提条件について考えてみたいと思います。

1.第二言語は自然習得できるか?

 「リスニング力を上げるためにはとにかくたくさん聞きなさい」という人がいます。

 「母国語である日本語を身につける過程で、私たちも毎日のように日本語のシャワーを浴びたでしょう。それと同じようにたくさん聞いていれば、自然と聞き取ることができるようになります」という人もいます。

 しかし私たちは英語のネイティヴではありませんし、まして言語形成期を過ぎてから英語を習得しようとしているのですから、母国語である日本語を身につけたのと同じやり方で英語を習得することは難しいでしょう。

 母国語以外の第二言語を、たくさん聞きたくさん読むだけで自然習得することは100%不可能だとは言いませんが、膨大な時間がかかることを覚悟しなければなりません。

 第二言語を比較的短期間に、目標とするレベルまで向上させるには「自然に」というわけにはいきません。「意識的な」学習とアプローチが必要です。

2.リスニングは耳で行うリーディング!?

 リスニング力を向上させる前提条件としてリーディング力の向上が重要です。当たり前のことですが読んで分からないものは聞いても分からないのです。

 「耳で聞いた時には分からなかったけれど、スクリプトを読んでみたら簡単に理解できた!」という経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。

 逆に「文章で読んでもまったく分からなかったものが、音声で聴いたらはっきり理解できた!」という経験を持つ人はおそらく皆無でしょう。

 リスニング力を本当に向上させたければ、リスニングの練習と同じくらいリーディングの練習に力を入れるべきです。読み取ることができる内容が増えれば聞き取ることができる内容も増えるからです。

 その意味では「リスニングは耳で行うリーディング」と言うことができると思います。

 そして読み取ることができる内容を増やすためには語彙を増やすことはもちろん、文法や構文の理解も「意識的に」深めていかなければなりません。

 つまりリスニング力を本当に向上させたければ迂遠に思われるかもしれませんが、英文法の理解・習得やリーディングスキルの向上をさせることが前提条件になるのです

3.英語の処理速度を向上させる

 しかし文法をしっかりと学び読解力を向上させれば、リスニング力も自動的に上がってくるわけではありません。

 読解力の向上とともに一定程度のリスニング力はついてきますが、必ずぶつかる壁があります。

 その壁とは「英語の処理速度=スピード」です。

 前述の「聞いたときは分からなかったが読んだら分かった」という現象の根本的な原因の1つとして、英語の処理速度=スピードの問題があります。

 ゆっくりと自分のペースで読めば理解できるものであっても、自分の処理速度を超えたスピードで話されると途端に分からなくなります。

 リスニング力を向上させるためには英語の処理速度を向上させることも重要なのです。

 英語の処理速度を向上させるには単に速い英語を聞くだけでは不充分です。大切なのは自らの発信速度を上げることです。そうすれば受信できる速度も向上します。

 英語の発信速度を上げる訓練としては、

◆発音が乱れない限界の速度での音読練習
◆リーディングの練習時に必ず時間制限を設ける
◆時間を制限した上でのSelf Talking練習

などを挙げることができます。

4.限界速度の音読練習

 上に挙げた3つの中で「発音が乱れない限界速度での音読練習」は比較的簡単にできると思います。

 たとえば単語帳で勉強しているときなど、例文をただ単に黙読するのではなく、声に出して読んでみるという方は多いと思います。

 そのときにただ音読するだけでなく、発音やアクセントに気を付けながら、発音が乱れないぎりぎりの速度で音読してみるのです。

 音読し自分の声を聴くことで記憶効率も上がりますし、一般に音読しているときは黙読しているときよりも集中度が上がると言われています。実際に声に出せば英語のリズムなどもつかむことができるでしょう。

 なにより高速で音読することは英語の反射神経を鍛えるための格好のトレーニングになります。

 もちろんただやみくもに速く読むだけではだめで、英文の構造が分かった上で音読することが重要です。

 以上のようにリスニングを向上させるためには、自分自身の英語の処理速度を向上させることが大切な前提条件となるのです。

 リスニング力を向上させるためには「ただたくさん聞けば良いというものではない」ということがお分かりいただけたでしょうか?

 たくさん聞くことは大事ですが、その前に(あるいはそれと並行して)押さえておきたいポイントを頭に入れた上でトレーニングをすると、リスニング力がグンと向上します。

5.この記事のまとめ

1.リスニング力は「たくさん聞く」と「自然に」伸びるわけではありません。
2.リスニング力が伸びる前提はリーディング力の向上です。
3.英語の処理速度をあげなければリスニング力は伸び悩みます。
4.英語の処理速度を上げる方法として限界速度の音読などがあります。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。
 それではまた。ごきげんよう

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